身体障害領域の作業療法

脳梗塞・脳出血などの脳血管障害、頭部外傷、パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症（ALS）・多系統萎縮症・筋ジストロフィーなどの神経・筋疾患、脊髄損傷、手の骨折・外傷・切断などの手の外科疾患、関節リウマチ、心筋梗塞・狭心症などの心疾患、慢性閉塞性肺疾患（COPD)などの呼吸器疾患、熱傷、腫瘍、先天性奇形、糖尿病など多岐にわたります。

脳血管障害、頭部外傷の作業療法

脳血管障害や頭部外傷によって脳に損傷が起きると身体に麻痺や感覚の障害、高次脳機能障害などの症状が現れます。急性期ではベッドサイドのリハビリテーションから開始され、ポジショニングや拘縮予防の関節可動域訓練などを行います。回復期、維持期では麻痺で動きにくい上肢の機能を改善するために関節可動域訓練・ストレッチ・筋力増強訓練などの徒手療法やコップ・タオル・お手玉などの物品操作、木工・手芸・革細工・書字などの作業活動を行い、上肢の運動性・操作性・手指の巧緻性を促します。また、四肢・体幹の麻痺によって基本的な動作や日常生活動作、家事動作を行うことが困難となるため、麻痺側の機能改善を促すのと同時に、残存している機能で安全に動作が行えるように利き手交換や動作の指導・練習を行います。その為に必要な環境整備や自助具の作成も行っていきます。

パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの神経難病の作業療法

パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの神経難病は進行性の疾患で徐々に筋肉の短縮・萎縮が進み、運動や動作が阻害されて全身の機能低下をもたらし、寝たきりの状態となっていきます。徒手療法や作業活動を行う中で運動性を促し、二次的な筋力低下や拘縮を予防して病状の進行を緩やかにします。症状の進行に合わせた段階的な自助具の提供や環境整備も必要となります。

脊髄損傷の作業療法

脊髄損傷では損傷した部位レベルによって残存する機能が変わってきます。残存した機能の維持・強化を行い、車椅子やベッド、自助具・装具などの環境を整えて一人で身の回りの動作が行えるように指導・練習を行っていきます。また、社会復帰に向けて趣味活動への参加や車の運転、就労の検討・援助も行っていきます。

整形外科疾患の作業療法

上肢の骨折、大腿骨頸部骨折、腰部圧迫骨折、脊柱管狭窄症、関節リウマチなども作業療法を行う機会が多い疾患です。骨折手術後の早期から拘縮予防と良肢位を保つための動作指導の目的で作業療法が導入されます。関節可動域訓練や補装具・スプリントの作成を行い、医師の指示に従って徐々に負荷をかけた運動や動作を行っていきます。骨折部位に負担をかけない動作の指導や筋力強化を行い、再発の予防も目指します。

関節リウマチは進行性の疾患であり、二次的な拘縮や筋力低下を防ぐ目的での関節可動域訓練、筋力増強訓練や関節に負担をかけない動作方法の指導や自助具・スプリントの作成を行い、日常生活動作や家事動作が行えるように工夫・指導を行います。また、慢性的な痛みや不快感に悩まされ、ストレスを抱えやすい疾患であるため、心理的な面にも介入します。

内部疾患の作業療法

慢性閉塞性肺疾患・間質性肺炎などの呼吸器疾患、心筋梗塞・狭心症などの心疾患、悪性腫瘍や糖尿病といった内部疾患にも作業療法士が介入します。呼吸リハビリテーションや心臓リハビリテーションは専門の知識・技術が必要であり、医師が加わった専任のチームを組んで行われます。早期からの離床を促し、廃用性症候群の予防や全身の耐久性向上、再発の予防、在宅生活の質の向上を目的に運動や動作練習を行います。糖尿病の作業療法は、病状の悪化を防ぐための運動療法が必須であり、血糖管理指導や栄養指導を含めたチームでの指導が行われます。

高次脳機能障害に対する作業療法

脳血管障害や頭部外傷などで高次脳機能障害が起きると記憶障害、注意障害、遂行機能障害や行動・感情の障害、失行・失認・失語などの症状がみられ、今までできていたことのやり方や順序がわからなくなる、外出しても道に迷う、お金の計算ができず買い物ができない、携帯電話などの電子機器が使用できない、コミュニケーションがとれないなどの症状がみらます。それらに対して、反復練習を行うことや、印やタイマーを利用し、視覚・聴覚などの五感情報を活用して行いやすくすること、構成課題や作業課題を行い認知機能面に働きかけることなどを行います。

最後に、この記事を書いているのは作業療法士などのリハビリ職に特化した求人・転職支援サイト、PTOTSTJOBです。PTOTSTJOBでは、転職のサポートを【完全無料】で行っております。転職をお考えの作業療法士さんは、ぜひ下記のボタンからお申し込みをいただき、転職を成功させてください。