精神障害領域の作業療法
精神障害領域の
作業療法
精神障害領域の作業療法は、病院の精神科や精神科デイケア、精神保健福祉センター、精神障害者支援センターなどの施設で、精神疾患により日常生活・社会生活に障害がある方に対して個別もしくは集団での作業活動を行い、精神機能の向上、体力・耐久性の向上、対人関係能力の改善、日常生活・社会生活の適応能力向上を図り、その人らしい生活が送れるように援助していきます。
精神科病院には認知症やアルコール依存症の専門病棟があり、専任の作業療法士が介入する場合もあります。
精神障害領域の疾患
認知症、統合失調症、気分障害(うつ病、躁うつ病)、神経症、人格障害、心身症、てんかん、薬物依存症、アルコール依存症など
精神障害領域の作業療法例
精神科病院では病態に合わせて病棟が分かれており、症状や病期に応じた作業療法プログラムが行われます。
急性期の作業療法
リラックスや安心できる場の提供を行い、ストレッチや軽い体操で身体を動かすことや、作品作りで集中して作業を行うことを通して、ストレスの発散、症状の軽減、体力や生活リズムの回復を目指します。
回復期の作業療法
病院生活の質の向上や退院して社会生活を行うために必要な機能の回復を目指して手工芸などの創作活動やゲーム、スポーツ、レクリエーションなどの活動的なプログラムを行います。
- 創作的活動
- 編み物・ビーズ細工・革細工・陶芸・書道・塗り絵・刺し子・折り紙など
- スポーツ・レクリエーション活動
- カラオケ・体操・ストレッチ・風船バレー・集団ゲーム・園芸・コーラスなど
- 生活支援活動
- 買い物・調理・外出・グループワーク・喫茶など
- リラクゼーション活動
- マッサージ、足湯、アロマなど
- ソーシャルスキルトレーニング(SST:社会生活技能訓練)
- グループで日常生活における色々な場面を想定して自分の思いを人に伝える方法や人から言われたことへの対応の仕方などを患者様同士で意見を出し合って学んでいく方法です。その他、季節ごとの行事、病棟作業療法、個別機能訓練、歩行練習、日常生活動作訓練などが行われます。
認知症の作業療法
認知症は、記憶障害、見当識障害、判断力の障害などの主症状に、徘徊、妄想、攻撃的な言動、睡眠障害などの周辺症状が加わり、徐々に日常生活動作が行えなくって遂には寝たきりとなる進行性の疾患です。
折り紙・塗り絵・貼り絵・書道・編み物など個人で行う作業や、囲碁・将棋などのゲーム、体操・歌・ゲートボール・風船バレー・観賞会など集団で行うレクリエーションを、季節感や昔懐かしい要素を取り入れて行い、身体機能、認知機能の維持・改善を促していきます。個別の身体機能訓練や日常生活動作訓練、コミュニケーションにもアプローチしていきます。
名前や場所、日時などの情報を繰り返しわかりやすく話し、見当識を高めるリアリティ・オリエンテーション(現実見当識訓練)や昔の懐かしい思い出を話して認知機能の改善を促す回想法なども行います。
アルコール依存症の作業療法
医師や臨床心理士、管理栄養士、薬剤師などとチームでプログラムに当たり、離脱症状が落ち着いた後に作業療法が開始され、運動や作業活動、アルコール依存症についての勉強会などを提供します。代謝系をはじめとするアルコールが心身に与える影響や日常生活への支障など、アルコール依存症のメカニズムの知識を十分に習得していることが求められます。
精神科デイケアの作業療法
在宅で生活している方が生活の質の向上や社会生活への適応を図るために通所してリハビリテーションプログラムを行います。昼食会、買い物、調理実習など、より生活に基づいた実践的な活動や、創作活動やスポーツ、健康管理や病状に関する勉強会、SSTなどのコミュニケーション訓練、就労に向けたパソコンスキルの練習などを行います。対象者のご家族様への助言や指導も行います。
精神保健福祉センター、精神障害者支援センターでの作業療法
行政、地域の機関として機能する事業施設です。精神障害を持ち、日常生活を過ごす上で困難を抱えている方の相談に応じ、その方に合った行政サービス・制度の紹介を行うことや、社会復帰に向け、作業活動の提供や就労のための情報提供、就労に必要な技能の練習などの支援を行います。
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