言語聴覚士の訪問リハビリの仕事内容
訪問リハビリ
利用者さんの自宅に訪問してリハビリテーションを行う訪問リハビリテーション。理学療法士や作業療法士が中心でしたが、近年では、言語聴覚士が携わることも増えてきているようです。訪問リハビリテーションに関わる言語聴覚士の仕事はどのようなものでしょうか。
もくじ
仕事内容
訪問リハビリテーションに勤務する言語聴覚士は、在宅で生活をしている利用者さんに対して、ことばやコミュニケーション機能、摂食・嚥下機能の維持や改善を目的に関わります。医療機関や高齢者施設に在籍している言語聴覚士が兼任で行うこともあれば、訪問リハビリテーションステーションに在籍し訪問専任として働いている人もいます。対象年齢は幅広く、高齢な方だけではなく、お子さんに関わることもあります。
訪問リハビリテーションでの言語療法は、自宅に直接訪問し、利用者さんの生活の様子を確認しながら、本人へのアプローチを行うと共に、家族への支援についても考えます。在宅では、医療機関や施設のような設備はもちろんなく、時には言語聴覚士では解決できない内容を相談されることもあります。そのため、医療機関や、医師、看護師、理学療法士や作業療法士、ケアマネージャー、ヘルパーなど他職種との連携は欠かせません。言語聴覚士の関わる内容では、摂食・嚥下機能の評価など病院での検査を依頼するといったことも必要でしょう。訪問がないときも、主治医への報告書や利用者さんへの定期的な報告書の作成や、サービス担当者会議などに参加するなどの業務があります。
医療機関や施設など、リハビリテーションを行う環境が整った場所と、患者さん一人一人で異なる「家庭」での言語療法には、ギャップがあるかもしれません。しかし、患者さんや家族がそれぞれの人生を豊かに楽しみ、また安心して過ごせるようアプローチできるのは、訪問リハビリの醍醐味ではないでしょうか。
1日のスケジュール
訪問リハビリテーションを専任で担当する言語聴覚士の1日のスケジュールを参考までに挙げてみましょう。移動時間があるため、依頼が多い日でも5~6件程度となるでしょう。訪問リハビリテーションに携わる言語聴覚士が少なく、近隣の地域からの依頼を受けることで、移動時間が片道1時間かかるという例もあるようです。
| 8:30 | 朝礼、スケジュールの確認や持参する教材の確認など。 |
|---|---|
| 9:00 | 訪問1件につき40~60分程度のリハビリを提供する。移動時間も含めると、予定が多くても2~3件程度。 |
| 12:00 | ステーションに戻り昼食。 |
| 14:00 | 午後のリハビリテーション開始。午後も2~3件程度となります。距離にもよりますが、1日を通して多くても5~6件程度となります。中には片道1時間程度かかるところへ訪問するケースもあります。 |
| 17:30 | ステーションに戻って記録を書いたり、スタッフ間での情報共有を行ったりします。 |
他にも、午前中は在籍する病院や施設内での言語療法を担当し、午後は訪問リハビリテーションを担当する、パートとして週に数日の午前だけ働くなど、働き方は様々です。
ワークライフバランス
正社員として勤務するだけではなく、非常勤パートとして勤務するという方法もあります。1週間に数日だけの勤務や、基本的には自宅から直行・直帰して、時々ステーションにも出勤するという柔軟な働き方が可能な職場もあるでしょう。
都市部などでは、近隣への訪問は自転車で行うことも可能かもしれませんが、バイクや自動車を運転して訪問するところも多いものです。複数の家庭を訪問するため、移動中に渋滞にはまってしまったなど、思いもよらないタイムロスが生まれることもあります。訪問修了後も、記録作成や、片づけ、翌日の準備もあるため、時間外勤務になることもあるでしょう。

