理学療法士の仕事内容

• 急性期病院・クリニックでの仕事内容
• 回復期リハビリテーション病院での仕事内容
• 高齢者施設での仕事内容
• 訪問リハビリでの仕事内容
• 児童福祉施設・身体障害者施設での仕事内容
• 理学療法士のその他の職場
• 現役理学療法士さんの仕事内容をご紹介！
• 仕事内容のイメージはつかめましたか？

急性期病院やクリニックで行われる理学療法士の重要な任務は、まずは「リスク管理」と「機能回復」にあります。急性期病院や怪我・障害の発生直後からのリハビリを担うクリニックでは、まだ障害のもととなっている原因の病気や怪我が治りきっていないということがほとんどです。病気だからと完全に寝たきり状態にするのではなく、身体に負担のかからない範囲で愛護的な運動を継続させることで、入院の臥床時間の拡大による体力・筋力の低下を防いだり、精神面の賦活にも働きかけたりします。そのためにはまずは病気や怪我の原因とそのリスクを把握する必要があります。リハビリテーションだけでなく医学的な知識を必要とする分野です。

回復期のリハビリの重要な任務は「機能回復」と「動作改善」にあります。最近は急性期病院の平均在院日数が減ってきていて、ある程度症状が落ち着いたらすぐに転院となる患者さんも増えてきています。症状が落ち着いても障害が残り自宅や高齢者施設へ帰るのが困難な場合は、リハビリ専門の回復期病院で筋力アップや自宅復帰するのに必要な動作練習を行うのです。つまり回復期のリハビリではより実践的な、日常生活に即したリハビリが必要となるため、利用者さんの身体機能だけでなく、家族との関係性や家屋構造、生活スタイルなどをより詳しく把握する必要があります。

介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、デイサービスなどの高齢者施設のリハビリは「機能維持」が主な目的となります。加齢に伴い身体的に衰えが生じるのは仕方のないことです。しかしその加速度を遅くするために、利用者が楽しみながらできる運動やレクを考えて、運動の習慣づけや病気や怪我の予防、精神活動の賦活を図っていきます。また普段介護を行う介護士やヘルパーへ安全な介助方法の指導を行うのも重要な任務です。

近年増えてきているのが訪問リハビリです。要介護認定を受け、サービスを申し込んだ利用者の自宅に訪問してその中でリハビリを行います。自宅や周辺環境でリハビリを行うことでより日常生活に即した動作練習を行うことができます。利用者に家族がいるときは介助方法や介護用品利用の指導・提案を行うのも重要な任務です。

上記の職場に比べて数・規模とも少ないですが需要が絶えない現場です。児童福祉施設では脳性麻痺など障害をもって生まれた子供に対し、発達プロセスや反射反応などを意識しながら、障害による二次的な機能障害の予防や改善、精神機能賦活などを行っていきます。両親に対しては自宅でできるリハビリ・介助指導も重要です。身体障害者施設では、身体機能的なリハビリだけでなく、社会参加や職業への就職などを意識した包括的なリハビリ提供が求められます。

上記のほかにも理学療法士が活躍する場面はいくつかあります。ひとつはスポーツ業界でのトレーナー業務です。求人数も少なく、スポーツに関する高い知識を必要とされるため狭き門として知られています。そのほか、行政関連でリハビリ業界の認知度向上と待遇改善のために尽くしているという方もいます。

以上、簡単ではありますが施設ごとの理学療法士の仕事内容をまとめてみました。動作の専門家とはいっても、利用者のニーズや特色によって求められるリハビリもずいぶん違うということをお分かりいただければ幸いです。

PTOTSTJOBで5人の現役理学療法士さんにインタビューを行いました！それぞれの仕事内容をご紹介致します。

男性(35歳) 和歌山県の高齢者施設勤務の仕事内容

おもに介護老健施設の入所利用者と通所利用者に対するリハビリテーション業務を行っています。物療業務や運動器の機能訓練をするとともに、生活機能の維持や機能回復・向上を目的とした生活指導をしています。一日の仕事の流れは、出勤してまずは、ミーティング。ミーティングが終わると、リハビリテーション実施計画書やカンファレンスの資料などを作成したり事務をします。その後午前中は、リハビリ室において、物理療法や、運動療法。患者さんの治療を行います。治療記録の記入を終えると午前中の業務完了です。午後は、患者さんの治療。主に入所している方の治療や、患者さんの状態や治療方針、今後の目標について患者さん本人や患者さんの家族に説明したりしています。治療時間が終わると、診療記録をまとめて1日の業務が終了です。日によっては、医師や看護師、医療相談員、ケアマネージャーなどスタッフを集めての会議があります。

男性(30歳) 兵庫県の整形外科勤務の仕事内容

現在は、某国立病院の整形外科に所属する形で、四肢に何らかの疾患や障がいを持つ方に対するリハビリテーションと身体運動補助などの業務に携わっています。また、同じ国立病院の整形外科内には、障がいや四肢に疾患を持つ子ども達が患者さんとして数多く来院されており、そちらで、子ども達のリハビリを担当しつつ、同時に心のケアも行う専門外来で業務を担当しています。

女性(32歳) 東京都の訪問リハビリ勤務の仕事内容

都内の訪問リハビリテーションを運営する医療機関に勤めています。病気や怪我で自宅に寝たきりや引きこもりがちになっているかたのところに訪問し、リハビリの指導をしています。そのひとにあった身体運動をアドバイスする仕事をしています。

女性(32歳) 滋賀県のデイケア勤務の仕事内容

クリニックでの外来患者のリハビリテーションと、併設されている通所リハビリテーションセンター（デイケア）でのリハビリテーションに携わっております。他にも、介護保険を利用した訪問リハビリテーションなども展開しておりますが、私は外来のリハビリテーションとデイケアでのリハビリテーションで枠がいっぱいなので、訪問には出ておりません。

男性(24歳) 兵庫県の一般病院勤務の仕事内容

自分が働いている病院は亜急性期・回復期・維持期の3つの病棟があります。その中での自分の担当は亜急性期がメインとなります。急性期から少し状態が安定しているのでベッド上の運動だけでなく、ギャッジアップ→端座位→車椅子離床と進めていきます。具体的には患者さんは高齢であることが多いため血圧・脈などを測定しながら実施していきます。

特に脳血管の方は注意が必要となってきます。ギャッジアップから端座位をとり血圧に変動がみられた場合は次の段階に進まず医師・看護師と相談し、状態をみながら実施します。そして端座位で状態に変化がみられなくなった場合に車椅子離床を実施していきます。もう1つのメインは外来リハです。入院後もリハを続けたい、今の状態を少しでも維持したいといった方が対象となります。こちらは維持期に分類されるので患者さんの状態が良くなるといったことはほぼないと思います。現状維持が目的となりますので、プログラムの大幅な変更もありません。

就職・転職してから「こんなはずじゃなかった！」とならないように、希望の施設の仕事内容を理解しておくことはとても重要です。PTOTSTJOBでは、たくさんの理学療法士さんの転職支援を行ってきたからこそ、施設別の仕事内容・お給料日・プライベートの充実などのメリットデメリットについて詳しくご案内が可能です。「この施設の仕事内容を詳しく知りたい！」など興味を持たれた方は、ぜひ下記のボタンから転職支援にお申込みください。