理学療法士の将来性・方向性
理学療法士の
将来性・方向性
現役の理学療法士さん5人がPTOTSTJOBのインタビューに応えてくれました。ここでは、インタビューの内容から「理学療法士の将来性・自身の方向性」についてピックアップしたものを紹介しています。
もくじ
男性(35歳) 和歌山県の高齢者施設勤務の方向性
理学療法士として老健施設で学んだ経験を活かしての整体院などの開業も考えています。理学療法士になるきっかけを与えてくれた親戚は、訪問治療に注力した鍼灸マッサージ院を経営しています。初めは、鍼灸マッサージ業務のみでしたが、今は整骨院も経営しているので、その親戚とともに、リハビリ業務をさせてもらえたら…という思いもあります。またその親戚も私と一緒に事業範囲を広げることを希望しています。ですが私自身、まだ自信をもって開業するには、もう少し、老健施設での勉強を続けさせていただいて、実務経験を積みたいという想いが強いです。最近は介護業務についても、勉強したい気落ちが強く、ケアマネージャーの資格取得も考えています。
男性(30歳) 兵庫県の整形外科勤務の方向性
特に大きなビジョンを持っているわけではありませんが、できれば、疾患や障がいを通じて、自分の身体に何らかの不満を感じている方の感情を少しでも支える事ができれば、治療の補助をただ行う事ができればと願っています。正直なところ、理学療法士の仕事自体は、いわゆる対症療法に当たります。予防療法とは違い、起こってしまった疾患に対して適切な治療やリハビリを行うのが業務です。ですから、とにかく妥協や打算なく、ただ純粋に理学療法の本来の趣旨に従って、自分ができる最大限の事を実践して行きたいので、その思いを旨に研鑽を積んでいきたいと思っています。
女性(32歳) 東京都の訪問リハビリ勤務の方向性
これからもさまざまな事情で身体が不自由になってしまったひとたちのためにお仕事を続けていきたいと思っています。それと同時にその家族のみなさんを励まし、元気づけてあげたいと思います。誰しも怪我や病気をすると気持ちが塞ぎ込み立ち直るのが難しくなります。そういったかた達を勇気づけ、すこしでも日常生活を不自由なく送れるような手助けができるといいと思います。自分の知識や経験を生かしながらひとりでも多くのひとを助けたいと思っています。
女性(32歳) 滋賀県のデイケア勤務の方向性
日本の理学療法士は、医師の指導のもと業務を行うことが大前提で、個人で治療所を立ち上げて、保険を使って治療することを認められてはいません。外国では、理学療法士に開業を許しているところも多くあります。これは日本に理学療法士が国家資格として認められてからまだ歴史が浅いということと、日本の理学療法士が開業を許されている他国の理学療法士と比べて全体的に質が低い、ということが理由として挙げられると思います(※インタビューに回答された方の見解です)。
その点では、私たちはもっと質の向上を目指して頑張らなければならないと思います。独立開業も不可能ではないのですが、それには保険を諦めなくてはなりません。理学療法士としてではなく、カイロプラクティクや整体のように、一人の治療家として働くことになります。こういったスタイルをとっている理学療法士も日本には多くいます。病院と医師の保護のもと、業務を行う事は安心で良いのですが、その代償として我々は単位数という制約で縛られています。一日何人まで、一人どれくらいの時間まで、といった具合に治療に制限が設けられています。これが、時にやりたい治療の妨げになる事があり、もう少しできれば、もっと回復できるのに、と悔しかったり申し訳ない思いをしたりします。
国の立場を考えるとこの政策は仕方のない事だと思いますが、セラピストとしては残念でもあります。なので、わたしもいずれは、一治療家として開業に踏み切りたいと考えております。厳しい道になるかとは思いますが、やりがいはありあそうです。
男性(24歳) 兵庫県の一般病院勤務の方向性
病院で働いている限り理学療法士に可能性はないと思います(※インタビューに回答された方の見解です)。医療職は医師だけが飛び抜けています。理学療法士をはじめとする一部の医療専門職は医療保険下では医師の処方箋がないと働けません。理学療法士も働けないこともないのですが自費になってしまいます。2000年に介護保険制度ができて起業する理学療法士が増えました。老健での理学療法士の給与・待遇が良いのは老健に必要だからです。国が予防医療に力をいれるようになり、身体に障害のない者に関しては医師の処方箋なしにリハを実施することができます。介護保険系は理学療法士が中心になれると思っています。今後は介護保険分野での起業を考えています。

