理学療法士の大変な点・苦労する点

• 男性(35歳) 和歌山県の高齢者施設勤務の大変な点・苦労する点
• 男性(30歳) 兵庫県の整形外科勤務の大変な点・苦労する点
• 女性(32歳) 東京都の訪問リハビリ勤務の大変な点・苦労する点
• 女性(32歳) 滋賀県のデイケア勤務の大変な点・苦労する点
• 男性(24歳) 兵庫県の一般病院勤務の大変な点・苦労する点

仕事において、一番難しく感じているのは、人間関係の問題です。患者さんとの接し方だけでなく、職場での人間関係も非常にストレスを感じます。患者さんの中には、精神的に落ち込んだり、悲観している人もいます。そういった人に対して、ルールを守っていただくこと、モチベーションを上げていくことを導くのは簡単なことではなく、コミュニケーションの取り方にかなり神経を使います。また施設内においても、職場スタッフと治療方針において、精一杯考えた治療プランが通らないこともあり、自分の経験不足やポジションの関係で、筋を通せずにやるせない思いを抱えることも少なくありません。私の職場だけでなく、同業の友人との話でもよく聞く話ですが、病院内や老健施設内の人間関係の状態が悪くて、患者さんの治療に集中して専念することができない環境のところも多いようです。こんなときに、自分の力不足や経験不足を感じて挫折しそうになります。

仕事を行う上で何よりも辛いのが、患者さんが抱える痛みや苦しみ、挫折感を共有できないという点です。それらの感情を少しでも共有することができれば、患者さんがどうしたいのかという願望も一緒になって勧めていくことができるのですが、生憎、そういった共有ができないため、時には、患者さんが心から望む事をできず、結果として患者さんとの間に隔たりが生まれてしまうことがあります。やはり、怪我や病気を通じて理学療法の力を必要とする様な症状を持っている方の苦しみや痛みは、その方にしか実感出来ないものです。だからこそ、そういった点で相違や誤解が生まれてしまわない様に細心の注意を払わなければいけない点が、何年も経験を重ねた現在でも、最も難しい要素となっています。

現在小さい子どもを育てながら仕事を続けていますので、仕事と育児の両立がたいへんです。子どもの体調が悪いときなどは同僚に休みを代わってもらいながら仕事を続けています。リハビリを受けるのをかたくなに拒否されるかたに、なんとかリハビリを受けてもらおうと説得するのも大変です。リハビリというと痛くたいへんな思いをしなければいけないと思っていらっしゃるかたが多いので、そのような誤解を解くことがこの仕事の大変な点といえます。

まずは、やはり人様相手の仕事なので、そういった苦労はあります。プロとして失格と言われるかもしれませんが、担当の患者様が性格的に苦手な方だったりすると、治療後の疲労感は倍になります。ご家族の要望でリハビリのオーダーを受けていても、ご本人が望まれていない場合もありますし、そういった場合はご本人のモチベーションが非常に低く、こちらもどうしようか悩みます。

リハビリテーションは運動療法が主ですから、セラピストの技術も大事ですが、患者様ご本人のモチベーションにも効果が大きく左右されます。なので、どうやってやる気を引き出せば良いかが課題に上った時には悩みます。更に、そこに痴呆症が加われば、余計にリハビリテーションが進まなくなり、本当にこの人にとってリハビリが必要なのだろうか。もっと他の手立てで課題を解決した方が良いのではないか、と考えることもあります。次に、

理学療法士は最低三年の学習過程と国家試験の合格を経て社会に出るのですが、学校で学んだ知識や技術だけでは到底現場では役に立てません。社会に出てからが、私達にとって勉強の本番になります。各県で新人を育てるプログラムもありますが、それでも不十分だと感じます。なので、スキルアップを目指し、よりよい治療を患者様に提供する為には、自ら様々なセミナーに足を運び、哲学や手技を学ぶ必要があります。そこには当然、お金もかかってきますし、時間も要します。技術向上の為に遊ぶ時間やお金を削らなければならないので、遊びたい盛りの若い時にはそれなりに辛い日々となります。人体は奥が深く、また難解なので、この職業は一生勉強です。

チーム医療という言葉をよく耳にしますが、現在の職場ではそれが不十分であると感じています。NsはNsで単独で動いている気もします。もちろん全員ではありませんが。例えば酸素3L投与されていた方が、自分がリハをしようとすると2Lになっていることがありました。カルテを見ても何も記載が無く病棟に直接確認しました。他にも病棟が変わるのに何も伝えられていなこともしばしばあります。このような普段からのコミュニケーション不足が大変です。またリハビリテーション専門医がいないため、内科や外科のDr.ではあまりリハのことについて詳しくなく具体的な指示をもられません。コメディカルはDr.からの処方箋があって始めて仕事ができるわけですが、リハの処方箋がきた際にどこまでの動作が許容されているか教えてもらいたいです。例えば車椅子離床は可だが、歩行は不可など。