作業療法士の精神病院・メンタルクリニック・精神障害者施設での仕事内容
精神病院
メンタルクリニック
精神障害者施設
精神科病院やメンタルクリニック、精神科デイケア、精神保健福祉センター、精神障害者支援センター、精神障害通所授産施設などで働く作業療法士は、精神疾患により日常生活を送ることに困難がある方に対して作業療法を行います。手工芸や園芸、スポーツ、レクリエーションなどの作業活動を通して、症状の安定、対人関係の改善、日常生活や社会生活に必要な能力の習得を援助していきます。
集団プログラムが主となるため、作業の特性と患者様の状態を十分に把握し、患者様に合った作業活動の企画・進行・展開ができること、全体を把握しながら個人にも目を向け、患者様の言動に適切な対処・配慮が行えることが求められます。
仕事内容
精神疾患によって生活のリズムが崩れると体力や意欲、活動に対する耐久性や持久力が低下し、人と関わることや社会へ出ること、毎日の生活に必要な活動でさえ上手く行えないようになります。日常生活を送ることが困難になると、活動によって得られる自信や楽しみが失われ、さらに日常生活・社会生活に適応しにくくなるという悪循環へと陥ります。
作業療法士は対象者の方の要望に沿って達成できそうな目標を設定し、その方に合った作業活動を提供して、「日常生活に必要な基本的な体力・耐久性」、「生活のリズム付け」、「作業を完成させることで自信や楽しみを得ること」、「他の人との関わりの中で対人関係を学ぶこと」などを促していきます。
作業活動は手工芸、パソコン、読書など個人で集中して取り組む作業から、ゲームなど少人数のグループで取り組む活動、体操やスポーツ、レクリエーションなど大人数の集団で行う活動があり、患者様の希望と能力に合わせて活動を選択します。
作業療法室で行う作業活動の他、各病棟で行う病棟作業療法や全体で行う行事などの企画・実施も行います。
長期の入院生活で身体の機能低下がみられる方や、身体的な障害を併せ持っている方も多く、個別の身体機能訓練や歩行練習、入浴・排泄・更衣・洗面・食事動作など日常生活動作の練習も行います。在宅への退院に向けて、生活に必要な料理や外出、買い物などの練習や服薬管理方法の提案・練習も行います。その他、グループワークや社会生活技能訓練(SST)、患者様に向けた社会資源の情報提供や病状を知るための勉強会なども行います。
認知症病棟では、様々な作業活動、回想法、機能訓練、日常生活動作訓練などが行われます。
デイケアでは、在宅生活を送っている方の社会生活への適応に向けて、より活動的、具体的なプログラムの実施や就労支援なども行われます。
対象となる疾患
統合失調症、躁うつ病、神経症、てんかん、薬物依存症、アルコール依存症、不安障害、認知症などで、認知症、アルコール依存症の専門病棟がある病院も多いです。
一日のスケジュール例
| 8:30 |
病棟ミーティング 病棟からの申し送りや連絡事項、作業療法士からの報告などを行います。 |
|---|---|
| 8:50 |
OTミーティング、午前のプログラムの準備 病棟ミーティングでの内容を作業療法士スタッフに報告、今日のプログラムや担当する患者様の確認、プログラムの準備を行います。 |
| 9:20 |
午前中のプログラムの実施 編み物、手芸、陶芸、絵画、革細工、個別の動作練習や身体機能訓練などそれぞれの担当の持ち場につきます。 |
| 11:30 |
プログラムで使用した物品や道具の片づけ、プログラムの実施記録、カルテ記載を行います。 |
| 12:00 |
昼休憩 |
| 13:00 |
午後のプログラムの実施 集団プログラムの実施(レクリエーション、スポーツ、園芸、外出など)や病棟作業療法の準備と実施を行います。 |
| 16:00 |
今日行ったプログラムの記録とフィードバック、明日以降のプログラムや行事の企画・準備などを行います。カルテ記載、書類作成、病棟カンファレンスへの参加なども行います。 |
| 17:00 |
帰宅 |
ワークライフバランス
集団でおこなうプログラムが多いため、他のスタッフがフォローしてくれる体制が整いやすく、身体障害領域や発達障害領域の職場に比べると比較的休みが取りやすい環境です。
行事の準備が必要な時や書類作成の多い時期など以外は残業もなく帰宅できます。土曜日は交代勤務、日曜日・祝日はお休みの職場が多いです。
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