作業療法士の発達障害関連施設での仕事内容

対象となるのは、生まれながらに障害を持っている子供や発達途中で病気や事故などで障害を負った子供たち、発達に遅れがみられる子供たちで、新生児集中治療室（NICU）に入院している生まれたての赤ちゃんから成人になった発達障害児（者）まで幅広い年齢層を対象とします。

肢体不自由児通園施設では就学前の子供たち、特別支援学校・学級では学童期の子供たちというように勤務する施設によって対象となる年齢層が変わります。仕事内容は、個別プログラムが中心となり、個々の子供の興味や促したい動作・能力に合わせた遊びや作業活動を選択し、子供が楽しんで訓練に集中できるような声かけや雰囲気作りを行いながら、遊びや活動を展開していきます。リハビリ室でのプログラムだけに終わらず、生活の場でも一貫した姿勢管理や関わり方が行えるように、ご家族との情報交換を十分に行い、家庭と協力して療育を行っていきます。

子供の姿勢保持や移動手段として導入する座位保持装置や車椅子などの福祉機器、食事や更衣・排泄などの動作を行いやすくするための福祉用具の導入や装具・自助具の作成、子供の機能や手に合わせたスプーンやはさみの提案・作成も作業療法士が行います。

また、子供が通う保育所・幼稚園・学校との連携を行い、園・学校生活を行いやすくするためにクラスの机や椅子、トイレなどの環境整備や介助方法の指導、子供への関わり方のアドバイスなども行っていきます。

集団で、体操や感覚遊び、母子への生活指導などのプログラムを行うこともあります。

発達障害児（者）に関わる理学療法士、言語聴覚士、看護師・保育士などの多職種との情報交換・連携を行ってチームとして、対象児・家族に一貫した関わり方を行っていくことも大切です。

子供は成長過程にあるため、これから先の将来の予測も考慮した介入が必要であり、成長に伴って変化する心身の発達や環境に合わせた柔軟な対応が求められます。

脳性麻痺、頭部外傷、二分脊椎、先天性異常、筋ジストロフィー、分娩麻痺、知的障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害、広汎性発達障害などが挙げられます。

勤務する病院・施設によって脳性麻痺などの肢体不自由児を対象とする施設や知的障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害、広汎性発達障害などを専門とする施設もあります。

基本は担当制の個別プログラムが中心となるため、頻繁な休みはとりにくいです。特に、外来を受け持っている場合は予約制であるため、休みを取る場合に前もっての調整が必要です。

小児病院やリハビリテーションセンターなどの大規模施設で作業療法士の数が多く、休み時のフォローの体制が整っているところでは比較的休みはとりやすいですが、通園施設やデイサービスなどの小規模施設では作業療法士が一人勤務であることが多いため、休みはとりにくい環境です。

残業の有無は職場の規模や形態によっても異なりますが、業務終了後にスプーンや鉛筆ホルダーなどの自助具やスプリントなどの装具、プロンボードや椅子などを作成する機会が多く、残業することは多いです。

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